需要と供給のマッチアップ~浄法寺漆生産に協力~(動画あり)

イベント・取り組みトピックス

ノースジャパン素材流通協同組合では、合板工場や製材工場、木質バイオマス発電所への原木供給だけはなく、あらゆる「木」に関する需要と供給のマッチアップを行っています。


岩手県二戸市安比で漆生産を行っている株式会社小西美術工藝社様より「漆掻き用原木を探しているので、紹介して欲しい」と連絡があり、一方で、岩手県下閉伊郡岩泉町にある株式会社吉本 岩泉事業所様より、「会社所有の漆林があり、良い方法があれば…」と相談があったことから始まりました。

吉本岩泉事業所様の漆造林の面積は6ha、そのうち1haが、樹齢35年生で胸高直径24~30cm、本数600本とのこと。
今回のマッチアップは、小西美術工藝社様と吉本岩泉事業所の双方からの情報を繋ぐことによって可能となりました。

小西美術工藝社様いわく、現在では、年間200本の原木から13貫目(約50kg)採取できると標準(一本の採取量は200~300cc)といわれており、今回のように樹齢35年生の太さで、本数が揃っていることは、近年においては珍しく、大変貴重とのことでした。

また、浄法寺漆は生産量の多さだけでなく、塗ったあとの強度が非常に高く耐久性に優れていることや、赤や黒の鮮やかな色合いを漆器に表現できることなど、品質の高さも誇っています。

平成26年(2014)年度に文化庁が国宝・重要文化建造物の保存修理には原則として国産漆を使用することとしたため、世界遺産の中尊寺金色堂や日光東照宮、金閣寺などの修復に欠かすことのできない塗料となっています。
令和4年度の国内生産量は、国内消費量約23.9トンの8.5%に当たるわずか約2.0トンであり、ウルシ生産の拡大は、緊急性のある重要な取り組みになっています。

↓↓ 漆掻きの職人技を間近でご覧ください。伝統の技術と情熱が織りなす美しい世界! ↓↓

令和6年8月1日更新