海岸防災林「ノースジャパン100年復興の森」の再生活動に至る経緯

イベント・取り組み トピックス

1.東北森林管理局による海岸防災林復旧事業完了までの経緯

東北森林管理局は、2011年の東日本大震災津波被害からの復旧・復興に向け、管内国有林の宮城県仙台湾沿岸地区(一部民有林を含む)、同石巻・東松島地区、青森県三沢海岸において海岸防災林復旧事業を実施しています。
事業の内容は大きく、
①盛土による生育基盤の造成工事
②植栽木を強風から保護するための防風柵の設置
③クロマツを基本とする樹木苗木を植栽する植栽工
等の工程が実施されています。
盛土の造成資材として、一部に災害廃棄物のコンクリート屑や津波堆積土を使用し、防災機能確保と生物多様性保全を両立させるためのゾーニングを行うなど、通常の森林造成とは異なる技術も活用されています。
また、復興に向けたシンボル的な活動の意義や、大規模災害に対する防災意識向上の観点から、地域住民、ボランティア団体、NPO、企業等の参加や協力も得て植栽等の作業が行われ、復旧事業は令和2年度をもって完了し、現在は民有林・国有林それぞれの管理のもと、海岸防災林として再生されるよう、引き続き連携を図って維持されています。
国有林内の一部については、国民参加の森林づくり制度を活用して「社会貢献の森」の協定を締結し、ボランティアによる保育等を行っています。国有林では従来から、企業などが森林の整備・保全活動を通してCSR(企業の社会的責任)活動を行うためのフィールドとして国有林の一部を提供しており、この海岸防災林再生事業においても、事業地の一部を「社会貢献の森」として提供しています。
当組合の「ノースジャパン100年復興の森」も、この「社会貢献の森」の枠組みの中で海岸防災林の再生に取り組んでいるものです。

平成29年

2.「ノースジャパン100年復興の森」事業の沿革

ノースジャパン素材流通協同組合は、森林の再生を事業運営方針の一つとしています。
海岸防災林の再生活動に参画することにより、社会貢献事業として大震災からの復興を支援するとともに、再造林の実行確保の普及啓発を目指して活動を始めました。
これまでの経緯は次の通りです。

▼平成29年4月
仙台森林管理署と当組合の間で「仙台湾沿岸地区海岸防災林(名取市台林国有林内)の再生に向けた活動に関する協定」を締結しました。
本協定では、宮城県名取市の台林国有林に設けられた「社会貢献の森」9.23haのうち、0.08ha区画を「ノースジャパン100年復興の森」とし、10年間にわたって森林づくりと管理を行うことが定められました。
同年5月、組合員・役職員の数十名が現地に集まり、宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツのコンテナ苗を仙台森林管理署、地元の有限会社早稲谷・菅原苗木店様のご指導を頂いて植栽に取り組み、毎年1回、組合員、組合青年部会からボランティア参加を募って、下刈り・補植作業等のほか、組合職員による定期巡視や、清掃など環境整備を行っています。

平成29年
平成30年
平成30年
令和元年
令和2年

▼令和3年6月
既存区画に隣接する区画0.12haを加えた、0.2haの区画を、改めて仙台森林管理署と再協定を締結しました。
活動内容は、年1回の下刈りと植栽木の成長に伴う枝払い等保育作業と、2か月に1回の巡視・清掃等の環境整備を行うよう定めました。

令和3年
令和3年
令和4年
令和5年

▼令和6年9月
既存区画からさらに0.1haを加えた0.3haの区画を、改めて仙台森林管理署と協定を締結しました。
協定締結当初と比較して、遠方からのボランティア参加も増えたことにより、今年度の再生活動は2日間にわたって行い、初めて記念木(ヤマザクラ)の植栽を実施しました。

活動の詳しい様子はこちらへ → 令和6年10月投稿「ノースジャパン100年復興の森」再生活動を今年も実施しました!

令和6年10月11日